Monthly AOR Magazine

No' 65 SOY / SOY2


皆さんこんにちは。

締め切り...

 前号から間隔があいてしまいましたが、締め切りに追われるように無理矢理書いて自分がそれほど好きでないアルバムを紹介するのもイヤなので。
コレは聞いて欲しいと思えるアルバムをこれからも紹介したいと思います。

言い訳ですね<m(__)m>

================== Monthly AOR Magazine [No'65] ==================

SOY / SOY2      (2000)

 最近AOR系の「幻の名盤」等といわれているようなアルバムが初CD化されることが多くなりました。もちろん私も気になったアルバムはチェックしているのですが、今ひとつピンとくるモノがありません。
ただ私が良いと感じないだけなのかもしれませんが。
でも、本当に素晴らしいアルバムならば今までにCDになっていると思うし、ある1曲のためだけにアルバムを購入するのもなんだかなぁ・・という気分です。
「AOR=アルバム・オリエンテッド・ロック」だし。

 そんなある日、前号 [No'64] で紹介した「斉藤誠」のツアーに一人の女性がギター・コーラスで参加していることを知りました。
「平松八千代」ってどんな人なんだろう?と思い検索してみたところ、SOYというユニットを「佐橋佳幸」・「小倉博和」と組んでいることがわかりました。
しかもその昔、「イカ天」に出ていた「ランパ」というバンドのボーカルでした。
佐橋佳幸・小倉博和の2人はギタリストとしてそれぞれ大活躍している人達だし、「山弦」というギターユニットでもアルバムを出しています。これは面白そうだということで、早速チェックしました。

 凄いショックでした。日本でもこれだけ上質なウエストコースト・ポップス色の強いアコースティックなロックを表現できるユニットがあるなんて。
アコースティックギターとコーラスのバランスが、いい感じに70年代を感じさせます。

 ドライブするときには用意したい一枚となりました。

では、簡単に曲の説明

1曲目:おしえて
もう、1曲目からノックアウトです。
2本のアコースティックギターで始まるイントロ、2本のバリトンサックスだけを使った低音でゾクゾクするようなホーンアレンジ。
この曲の平松八千代の声って「EPO」に似ています。
そういえば佐橋佳幸は、「EPO」や「清水信之」と高校(都立松原高校)でバンドを組んでいて、音楽業界へのデビューはEPOのレコーディングだったはず。
作曲とコーラスで「鈴木祥子」が参加しているのも気になる人が多いと思います。

2曲目:リベルテ
アルバム一押し。これはイイ曲です。
「カーリー・サイモン」風かなぁ。アルバムでは「Playing Possum(人生はいたずら)」あたり。
佐橋・小倉両氏のギターアイドルは「ジェイムス・テイラー」。
そう考えるとなるほど納得のサウンドですね。
大陸を感じるような骨太なロックなんだけど、エレキギターは使われていません。アコギとローズ、ベース・ドラム・パーカッション。
あ、やっぱり「ジェームス・テイラー」と彼のバンド「ザ・セクション」が参加した「カーリー・サイモン」だ!
車の中で聞いていると、特徴あるサビのフレーズで思わず一緒に唄っています(笑)

3曲目:恋に似ている
ボーカルも曲も「山本潤子」風です。太いけど透明感のあるボーカル。
アレンジには「大貫妙子」のイメージも感じました。
「青春の儚さに後悔の青いインクで
 文字のない手紙を綴っているの」
このステキな作詞も「鈴木祥子」です。

4曲目:海鳥〜10 Years After〜
イントロのギターで「ジョニ・ミッチェル」を思い浮かべました。
パーカッションとアコギがメインで、とても涼しげな曲です。

7曲目:Once in a blue moon
ミディアム・ファンクの気持ちの良いグルーブ。
これは高速道路をドライブしながら聞きたいですね。イメージは夏の青い空と白い雲。
アコギの掛け合いソロが50秒ほどあって、たっぷりと楽しめます。

12曲目:雪降る街でノースリーブ
80年代前半の「EPO」のポップ路線をイメージしました。
フルートソロがあったり、ブラスのリフもキャッチーだし。
佐橋佳幸の得意(好き)なアレンジなんだろうなぁ。
「渡辺美里」もこんな近い感じだし。

 「Soy」とは佐橋・小倉・八千代のそれぞれの頭文字を並べただけ。
こんなネーミングやサウンドまでもが、なんだか「CSN&Y」をイメージさせます(笑)
きっと何年経っても時々聞きたくなる、色褪せない一枚だと思います。


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