皆さんこんにちは。
「アメリカンロック」
梅雨が明けたような暑い日が続きますね。
蒸し暑いときにはカラットしたアメリカンロックを良く聞いています。
70年代の、今よりもちょっとゆっくりとしたタイム感が心地よく感じられます。
================== Monthly AOR Magazine [No'58] ==================
NO NUKES (1975)
1979年9月19〜23日に、N.Yマジソンスクエア・ガーデンに於いて「より安全なエネルギー源を求め、幸福な未来を願う」というスローガンのもとに「NO
NUKES」(原子力発電所建設反対運動)コンサートが開催されました。当初は一日限りのコンサートを予定していましたが、数多くのミュージシャンから出演要望が殺到、チケットも数時間で完売してしまったため最終的には5日間にわたる大イベントとなりました。
1979年というのはメルトダウン(原子炉溶解)を題材にした「チャイナ・シンドローム」という映画が公開された直後、実際にペンシルバニア州スリーマイル島の原子炉で大規模な事故が発生。これをきっかけに全世界的に反原発運動が急激に盛り上がった時代でした。
「NO NUKES」を開催したのは「MUSE」(Musisians United for Safe
Energy Inc.)で、これはジョン・ホール、ジャクソン・ブラウン、ボニー・レイット、グラハム・ナッシュが中心となっていました。
この「NO NUKES」は2枚組CDで現在でも入手できます。ドゥービー・ブラザーズ、ジェイムス・テイラー、カーリー・サイモン、ライ・クーダー、レイディオ、チャカ・カーン、ポコ、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、ブルース・スプリングティーン、クロスビー、スティルス&ナッシュ、ニコレット・ラーソン、等々、当時のアメリカを代表するミュージシャンのステージが収録されています。意外な?組み合わせの共演があったりして個人的にとても興味深く聞くことができました。
全23曲収録の大作です。
では、簡単に曲の説明
Disc 1
1曲目:Dependin' on you / The Doobie Brothers
オリジナルアルバム収録とほぼ同様のアレンジ。
当時彼らのプロデューサーだった「テッド・テンプルマン」がパーカッションで参加しているのがこのイベントらしいと思いました。
5曲目:Power / The Doobie Brothers with Jhon Hall & James Taylor
「NO NUKES」のテーマ曲。
「マイケル・マクドナルド」と「ジェイムス・テイラー」のツインボーカルなんて、ちょっと他では聞くことができないのでは?
コーラスには「ニコレット・ラーソン」、「カーリー・サイモン」、「ジャクソン・ブラウン」、「ボニー・レイット」、「グラハム・ナッシュ」等が参加。
特に、一人で上のパートでコーラスをとる「カーリー・サイモン」が素晴らしい。というか、トリプルボーカル+コーラスといった感じ(^_^)
「ドゥービー・ブラザーズ」の抑えた演奏も、ミディアム・スローのこの曲をより一層印象深くしています。
個人的にもアルバム一押しの曲。
10曲目:Lotta Love / Nicolett Larson & The Doobie Brothers
「ニコレット・ラーソン」は、「Weekly AOR Magazine [No'18] 」で取り上げました。
ちょうどこの曲「Lotta Love」がヒットしていた頃です。
Disc 2
1曲目:You can't change that / Raydio
「レイ・パーカー・ジュニア」率いる「レイディオ」も参加。
今ではすっかりディスコ・クラシック化している曲ですね。「レイ・パーカー・ジュニア」って本来はベーシストなんですね。
4曲目:Honey don't leave L.A. / James Taylor
バックはいつものメンバー「ザ・セクション」。サックスに「デビッド・サンボーン」が参加。
ギターが3人なのでアルバムよりもロック色が高いです。
1977年発表のアルバム「JT」収録。
5曲目:Mockingbird / James Taylor & Carly Simon
4曲目のメンバーに「カーリー・サイモン」が参加。夫婦らしい息のあった掛け合いを聴くことが出来ます。
13曲目:Takin' it to the street / The Doobie Brothers & James Taylor
アルバムラストは「ドゥービー」のヒット曲を「Power」(Disc 1
/ 5曲目)のメンバーで締めくくります。
会場はさぞ盛り上がったことでしょう。
5日間にもわたる大イベントでしたが、「デビッド・ボウイ」、「スティーブン・ビショップ」、「フィービ・スノウ」等はバックステージで待機していましたが、ステージに上がる事が出来ませんでした。
ステージと会場がどれだけ熱くなったか想像できますよね。 |