Weekly AOR Magazine

No' 39 Vapour Trails / Vapour Trails


皆さんこんにちは。

「学園祭に出演しました」

いつも練習しているバンドのベーシストに誘われて地元の国立大学の学園祭に出演してきました。(こいつはここの院生)
元々このベーシストが友達と出演する予定だったのですが予定がつかなくなり、急遽セッションバンドを組みました。

出演時間はセッティング込みの20分。
練習時間も少なかったので「ハービー・ハンコック / Hang up your Hang-Ups」1曲でいこうということになりました。

練習は本番前の2日で2時間ずつ。
構成を決めて後はソロを順番でという時間の稼げる演奏方法にしました。
メンバーはドラム、ベース、ギター、キーボードが二人。
これに当日だけトランペットが一人参加という不安な構成でした。

その本番、なんとトランペット2本、サックス2本が突然参加してきました。
おかげで曲の構成も結構いい加減になってしまいました。練習の時はばっちりだったのに。
連絡ミスが重なったようです・・・

まあ、一緒に出演していたバンドが「イエモン」や、「Mr. BIG」のコピーバンドだったので、お客さんも面白がっていたようです。
"強烈ファンクチューン"のアレンジだったので結構立ち上がってくれたし。
それよりもベーシストの衣装で笑いをとっていました。
70年代の白いスーツにデカ襟の開襟シャツといった「サタデーナイト・フィーバー」な衣装(靴は当然白いエナメル)。そして私の貸した「30%増量アフロ」。 <なぜか持っているのですよ。
この姿でフェンダーのプレジョンベースを怪しく弾いていました。
こいつの周りだけ「ソウル・トレイン」な空気でした。

久しぶりのライブ、その上スネアのセカンドライン(ゴーストノート)叩きっぱなしで私は左手がつりそうになりました。

ライブはやはり楽しいです。

================== Weekly AOR Magazine [No'39] ==================

Vapour Trails/ Vapour Trails   (1979) 

「一般的にはあんまり有名ではないAOR名盤」紹介の第5回目です(笑)。

前回「80年代の音楽がCMで使われ始めた」ということを書いたので、それをきっかけにこのアルバムを紹介することにしました。

知らないでしょう?「ヴェイパー・トレイルズ」なんてバンド。
アルバムもこの一枚だけ、しかも当時日本版のLPは発売されませんでした。
でも30歳台前半位の洋楽好きな方には、とても懐かしい曲が納められています。

「ベスト・ヒット・USA」という番組を覚えていますか?
週末の夜に「小林克也」が「Radio&Records紙の最新のヒットチャート」を映像と共に紹介する、洋楽好きにはたまらない番組がありました。

そう、この番組のオープニングテーマ曲が納められているのです。
バックの映像はレコードジャケットがドミノ倒しをしているという、これも当時の映像技術からすると凝りに凝ったオープニングでした。

1981年に4月に放送が開始されました。これはMTVが本放送を開始した1981年8月よりも4ヶ月早いのです。「MTVをヒントに放送が始まった番組」と誤解されている方も多いかと思いますが、時代の先を読んだ、画期的な番組でした。

「ヴェイパー・トレイルズ」はもともとイギリスでセッションミュージシャンとして活躍してきたギター&ボーカルの「ジョン・マクバニー」、ベース「フィル・カーティス」、ギター「アンディ・ダルビィ」の3人が結成しました。
そんなイギリスの彼らがワーナーの「レニー・ワロンカー」と「テッド・テンプルマン」の目に留まり、アメリカでデビューすることになりました。
プロディースは「ラリー・カールトン」、レコーディングもカールトンのプライベートスタジオの「Room 335」。ミュージシャンもカールトン系が参加と、かなり期待されていたようです。
そうそう、カールトンにとっても歌もの初プロデュース作品でした。

しかしアメリカでは注目されず、81年には契約が切れてしまい、ほとんど話題にもなりませんでした。

日本で「ベスト・ヒット・USA」の企画が進められていたときに、番組のコンセプトに合う曲として「Don't worry baby」が選曲されました。
番組開始後「あれは誰の曲」と多くの問い合わせがありましたが、当時「ヴェイパー・トレイルズ」はワーナーとの契約も切れていたためにポリスターが発売権を獲得し、「ヴィーティーズ」というユニット名で「オータム・ブリーズ」というタイトルで一部曲順を変更されて発売になりました。もちろんジャケットも変更になっています。

では、簡単に曲の説明

1曲目:Do the Bossa Nova
ゆったりとしたリズムのいかにもアメリカンな曲。
アルバム全曲のドラムは、この時代流行の超デッドなサウンド。
「ジョン・フェローラ」(現:ラリー・カールトンバンド)も、現在の彼からは想像できないドラムサウンドとなっています。

2曲目:Don't worry baby (サーフサイド・フリーウェイ)<なぜにこの邦題?
この曲ですよ!!
イントロのギターのカッティングとエレピ。見事に30秒のイントロです。
曲の感じは「Boston / Dont' look back」に近いです。(ギターはあれほど厚くないけど)
スタジオミュージシャンのバンドな為か、コーラスのアレンジが絶妙。ツインリードのようなボーカルとなっています。
この曲を特徴付けているピアノはおそらく「マイケル・オマーティアン」。
イントロだけでなく全体が名曲です。
「Don't worry, baby
Put on you'r dancing shoes
Don't worry, baby」
という歌詞が思いっきり恥ずかしいです(笑)。

3曲目:Night people
ちょっと「スティーリー・ダン」風です。
ギターソロが「リー・リトナー」みたい。

5曲目:It's all right
「ビル・チャンプリン」がコーラスで参加。
エレピがどことなく「マイケル・マクドナルド」しています。「後期:ドゥービー・ブラザーズ」のイメージでしょうか?

7曲目:Modern Love
「トム・スコット」がアルトサックスで参加。
軽快なロックンロールです。

9曲目:Hold on to something good
ピアノに「デビッド・ベノア」参加。
3分程度の短い曲ですが、これも「Boston」の曲みたい。

あまりにもアメリカ的なサウンドのアルバムです。
今年の7月に初CD化されました。
今入手しないと、再発は難しそうです。
気になった方はお早めにどうぞ。

次回から「クリスマス・アルバム特集」の予定です。


<- back to Weekly AOR magazine