Weekly AOR Magazine

No' 36 Steve Kipner / Knock the walls down


皆さんこんにちは。

「事故渋滞」

私はアマチュアバンドでドラムを叩いています。
隔週の木曜日の夜に練習があります。(夜10時から12時)

10月28日もいつものように練習に行きました。
練習が気持ちよく終わり、12時30分頃に車で帰ることにしました。

私の家(静岡県富士市)から車で40分程度(静岡市内)のスタジオですが、通常の深夜ならば35分ほどで帰宅することが出来ます。
今回もいつものように国道1号のバイパスに入ったのですが、おかしなことにすぐに車の流れが止まってしまいました。

そのまま1時間30分。高架上で動けないままでした。
後で知ったのですが、トラックが事故で国1を塞いでしまったようです。

結局家に着いたのは深夜2時15分でした。
さすがに翌日(金曜日)は眠かったです。

その金曜日には首都高でタンクローリーが爆発。
運転中に何が起こるかわからないですね。

おっと、今日11月1日から運転中の携帯電話使用が禁止でしたっけ?

================== Weekly AOR Magazine [No'36] ==================

Steve Kipner / Knock the walls down (1979) 

今回も「一般的にはあんまり有名ではないAOR名盤」ですが、AORファンならばおさえておかなければいけない1枚です(笑)。
私も再CD化を首を長くして待っていました。やっと再発です。

「スティーブ・キプナー」。アメリカ・オハイオ州に生まれ、生後8ヶ月でオーストラリアに移住し、16歳の時にオーストラリアで「Steave and the Board」でデビュー。いきなり全豪No'1となるヒット曲を生み出しています。
ちなみに彼の父「ナット・キプナー」も成功したソングライターで、「Weekly AOR Magazine [No'34]」で紹介した「ジョニー・マティス&デニース・ウィリアムス」が1978年に放った全米No'1ヒット「Too much ,Too little , Too late」の作者です。

20歳過ぎにロンドンに移住した「スティーブ・キプナー」は、そこで後に「Tin Tin」となるグループを結成。そして1970年に「ビージーズ」の「モーリス・ギブ」のプロデュースで全世界的に発売したアルバムが「Tin Tin」。このアルバムから「Toast and marmalade for tea」が全英No'1を獲得。ビージーズのアメリカツアーに同行したことなどにより、ビルボードでも最高20位を記録しました。

その後音楽ビジネス的には恵まれず音楽以外のアルバイトで生活を維持していましたが、1979年にオーストラリア時代からの友人のプロデューサー「ロジャー・デイビス」(当時ティナ・ターナー等のマネージメントをしていた)がスティーブのデモ・テープ制作を手伝いました。そのデモ・テープがレコード会社の社長の耳に留まりレコーディングが決定。デモ・テープの中には「Knock the walls down」も含まれていました。

プロデューサーをどうしようかと探しているときに運良く「ジェイ・グレイドン」に出会い、ジェイのプロデュースでレコーディングが行われました。

そんなわけで、このアルバムの参加ミュージシャンは「デビッド・フォスター」、「ジェフ・ポーカロ」、「デビッド・ハンゲイド」、「マイケル・オマーティアン」、「ボビー・キンボール」、「ビル・チャンプリン」、「ラリー・カールトン」、「グレッグ・マティソン」等、AORのアルバムでおなじみの方々です。
(しかし皆さん、この時期忙しく働いていましたね)

もうおわかりのように、アルバムの印象は「Airplay」や「スティーリー・ダン」に近い路線です。

では、簡単に曲の説明

1曲目:The Beginning
「スティーリー・ダン」風な曲。

2曲目:Knock the walles down
アルバムタイトル曲です。1曲目とあまりにも似ているので、同じ曲かと思いました。
かなりひねったコード進行ですね。
このアルバムの「ジェフ・ポーカロ」のバスドラムの音は、ちょっとチューニングが低すぎて彼らしくない音がします。(ベタベタ)

4曲目:School of broken hearts (失恋教室)<すごい邦題
これもかなり「スティーリー・ダン」風な曲です。
「スティーリー・ダン」の「Babylon sister」(アルバム「Gaucho」)によく似ています。でも「Gaucho」の方が1年後に発売。これが不思議。

6曲目:Ive'got stop this hurting you
これはTOTOの「MAMA」みたい。でもTOTOのメンバーはレコーディングに参加していません。またこれも不思議。あ、この曲は「ジェイ・グレイドン」のプロデュースではないですね。

7曲目:Love is its own reword
アルバムからの唯一のシングル。
キャッチーなアカペラ風のイントロ、もろ「Airplay」なハモリのコーラス、「ジェイ・グレイドン」の重ねられたギター、「デビッド・フォスター」のアコースティックピアノ、盛り上げる「ジェフ・ポーカロ」のドラム、気持ちよいポイントでアクセントを入れる「デビッド・ハンゲイド」のベース。
非常にキャッチーな一曲です。

10曲目:The Ending
個人的には一番のお気に入り。
1曲目と同じ曲なのですが、聴き所は「ジェイ・グレイドン」の1分45秒以上のギターソロ。このソロはジェイの最高のソロプレイではないでしょうか。(スティーリー・ダンのAjaでのプレイより素晴らしいのでは?)初めて聞いたときはぶっ飛びました。圧巻です。
ちなみにこのギターソロのバックのストリングスのようなサウンドはすべて「スティーブ・キプナー」のコーラスだそうです。このパートだけで2日かかったという、ジェイ・グレイドンの完璧主義者ぶりがよくわかる曲です。

その後「スティーブ・キプナー」はソングライターとしての方が有名となり、「オリビア・ニュートン・ジョン」の「Physical」(10週連続全米No'1&80年代総合チャートNo'1らしい)や「Twist of Fate」、「シカゴ」の「Hard habit to break」、「ジョージ・ベンソン」の「20/20」、最近では「ウィルソン・フィリップス」等にも曲を提供しています。

今の内に入手しておかないとまた廃盤になりそうな一枚です(笑)。


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