Weekly AOR Magazine

No' 33 The Isley Brothers / Harvest for the world


皆さんこんにちは。
またまた隔週発行となり、申し訳ありません。

「中秋の名月」

先日用事があったので、仕事帰りにダイビングショップに車で向かいました。
国道1号線を東に走ったのですが、ちょうど正面に大きな月が出ていました。
右上が少しだけ欠けていましたが、明るく輝いていました。

道路の中央分離帯に生えた「すすき」を見ながら、今年の十五夜は天気が悪かったなあと思い出しました。

十五夜に三日遅れの十八夜のことでした。
                         (以上の文章は9月28日に書きました)

================== Weekly AOR Magazine [No'33] ===================

The Isley Brothers / Harvest for the world        (1976) 

朝晩涼しくなりました。まさに収穫の秋です。
なので、今回はアルバムタイトルで選んでみました。

AORではなくてR&Bのアルバムです。よい曲ばかりです。
このアルバムに関してはおそらく私よりも詳しい人がいるので、細かいことは書きません。

「アイズレー・ブラザーズ」は50年代の始めにシンシナティでゴスペルグループとしてスタートしました。その後R&Bに転向し、時代に適応したブラックミュージックを提示し続けました。

70年代に入ると3人のボーカルを含む6人組に変身。そして1973年に名盤「3+3」を世に送り出しました。ここでは「ジェイムス・テイラー」や「ドゥビー・ブラザーズ」等のロック系の曲のカバーを取り上げています。これは自分たちのレーベルをCBSとの契約によってメインストリームへの進出を図ろうとしたためです。

ちなみに当時のCBSもクロスオーバー路線を押し進めていました。
「アース・ウインド&ファイヤー」の一連のヒット曲などは有名ですよね。
当時のCBSの戦略としては、黒人ラジオでまず火を付けて50万枚(ゴールドレコード)程度の売り上げを確保し、その後メインストリームの観衆に売り込んでヒットさせることが理想でした。

アルバムタイトル曲でもある「ハーベスト・フォー・ザ・ワールド」は多くの人にカバーされています。私が一番好きなのは「パワー・ステーション」のバージョンです。ちなみにこの「パワー・ステーション」というアルバムは私がドラムを始めるきっかけとなったアルバムです。当然「トニー・トンプソン」の影響です。

話が脱線しましたが、他にも「アリーヤ」や「ジュエル」がカバーしています。

では、簡単に曲の説明

2曲目:Harvest for the World
ナイスなイントロです。ギターのコード最高
この曲のサウンドの中心となっているのはアコギとピアノ、ハンドクラップです。
よく聞くとサビのベースがすごい動きをしています。(ベース:マービィン・アイズレー)
非常にメッセージ色の強い歌詞です。

3曲目:People of today
一転して「スティービー・ワンダー」を彷彿とさせるクラビネットが印象的な曲です。サビではトーキングモジュレーターも使用しています。

4曲目:Who loves you better
アルバム中で一番ファンキーな曲。それにしても粘っこいリズムです。
エンディングのギターソロに絶句。

5曲目:(at your best) You are Love
腰の砕けそうなバラードです。「アリーヤ」がカバーしています。

7曲目:So you wanna stay down
コード進行が結構気に入っています。やはりアコギのカッティングが印象的です。

どうも日本では「アイズレー・ブラザーズ」は過小評価されているようです。
それはアイズレーがアフロ・アメリカンのための、つまりブラザー&シスターの為のグループだからのような気がします。歌詞もメッセージ色が強く、同胞達に明日を生き抜く活力を与えるような曲となっています。
つまり、ブラザー&シスターにとっては生活必需品だったわけです。

70年代のアイズレーが日本ではあまり評価されていないのと反対に、現在でも都市に生きるブラザー&シスターに彼らの作品は高く評価されています。


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