Weekly AOR Magazine

No' 32 Kate Taylor / Kate Taylor


皆さんこんにちは。

「パワーアンプ」

前回お知らせしたようにオーディオのパワーアンプを買い換えました。
「DENON PMA-2000II-n」

帰宅が遅い日が続きなかなか電源を入れる機会が少なかったのですが、今日は多少音楽を聴く時間がとれました。

不思議です。同じアルバムを聴いても以前のアンプでは聞こえなかった音が聞こえます。
CDのピックアップやレコードの針でとらえた信号が、アンプで増幅されてスピーカーから出るまでの間に消えてしまっていた音があったのです。

ヘッドフォンで聴くとそれほど違いがわかりません。しかしスピーカーから出力される音は明らかに表情が豊かになっています。特にレコーディングが良くマスタリングも失敗していないCDを聴くと違いが出ます。圧倒的に空間の広いサウンドが楽しめます。

「音を楽しむ」と書いて「音楽」と読みます。
言葉の意味がよくわかりました。

================== Weekly AOR Magazine [No'32] ==================

Kate Taylor / Kate Taylor                      (1977)

この名前にピンときた人はかなりAOR通ですよ。
しばらく男性ボーカルが続いていたので久々の女性です。

ケイト・テイラー。そうです、「ジェイムス・テイラー」の妹です。
ちなみに「リビングストン・テイラー」の姉でもあります。(当たり前だ)
1949年8月15日、ボストンの生まれです。ということは50歳になったのですね。

兄ジェイムス、リビングストン同様に精神科の治療を受け、療養生活を経てイギリスに渡っています。
(そういう時代だったのです。すべてはベトナム戦争のせいです)
そのときにジェイムスと一緒に「ピーター・アッシャー」と運命的な出会いをしました。

1971年に「ピーター・アッシャー」のプロディースでソロデビューしたのですが、このセカンドアルバムは7年後に発表されました。プロディースは兄「ジェームス・テイラー」です。

ファーストアルバムでプロディースした「ピーター・アッシャー」はその後「リンダ・ロンシュタット」のプロデュースからマネジメントまで手がけるようになりました。この辺を考えると深いものがありますね。

テイラー兄弟といえばシンガーソングライターとして有名ですが、このアルバムでは彼女はジェイムスの作曲した2曲以外は60年代前半の黒人音楽をカバーしています。そういえば、ジェイムスもリズム&ブルースやモータウンにかなり影響を受けていますね。

レコーディングは「スティーブ・ガッド」、「コーネル・デュプリー」、「リチャード・ティー」の「スタッフ」のメンバーや、「マイケル・ブレッカー」、「ランディ・ブイレッカー」、「デビッド・サンボーン」、「スティーブ・フェローニ」、「デビッド・スピノザ」、「ドン・グロニック」、「ウィル・リー」、「ロン・カーター」、「トニー・レビン」、「ラルフ・マクドナルド」、「ロニー・キューバー」等の一流スタジオミュージシャンで固められています。

では、いつものようにアルバムの紹介です。

1曲目:A fool in love
「アイク&ティナ・ターナー」の60年のヒット曲。
リズム体はおそらくガッド、ウィル。サックスソロはサンボーン。
腰の座ったボーカルです。
サックスはもちろん「デビッド・サンボーン」。というかブラス隊は「マイケル・ブレッカー」。「ランディー・ブレッカー」、「ロニー・キューバー」、そして「デビッド・サンボーン」です。
ということは結成当初の「ブレッカー・ブラザース」?
強烈ファンキーチューン。<一押し

4曲目:Stubborn kind of woman
「マービン・ゲイ」の1962年に彼の最初のヒットとなった曲です。
ジェイムス、「カーリー・サイモン」(当時のジェームスの奥さん)をはじめとしたコーラスが秀逸。テイラーファミリー勢揃いといった感じです。
けだるい感じのアレンジですが十分に歌いこなしています。

5曲目:Happy Birthday sweet darling
ジェームスがこのアルバムのために作曲。
この曲を誕生日プレゼントとして歌えたら・・と思ってしまいます。良い曲です。

6曲目:It's in his kiss(The shoop shoop song)
「ベティ・エベレット」の1964年のヒット曲。
ジェイムスとのデュエットですがやはりコーラスワークが素晴らしい。
黒人コーラスグループ並のソウルフルなコーラスです。ちゃんと「バス」パートも歌われています。

8曲目:It's growin'
「テンプテーションズ」のヒット曲。
ドラムはガッド先生(間違いない!)。ベースは「トニー・レビン」か?
残念なことに曲ごとのメンバー紹介が無いのです。
まあ、こんな曲を叩かせたらガッド先生が一番生き生きしています。
ストリングスアレンジがかっこいいなあと思ったらアレンジは「アリフ・マーディン」でした。「アレサ・フランクリン」やモータウン系のレコーディングでおなじみの人ですね。

10曲目:Rodeo
「リビングストン・テイラー」の作品。
狭い音域を上手く使って歌っています。

ちなみにSONY nice price lineの「Taylormade hall of fame」というシリーズの中の一枚です。
秋のドライブにぴったりではないかと思います。(出た、久々の活用場面紹介)
「ジェームス・テイラー」ファンにはオススメのアルバムです。


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