Weekly AOR Magazine

No' 17 Ned Doheny / Hard Candy


皆さんこんにちは。

SETI@homeという「ET(地球外生命体)探し」の壮大な計画が17日から始まりました。
SETI@home(セチ・アット・ホーム)とは、インターネットにつながっている何百何千台のコンピュータの余った力を地球外文明探査(SETI)に活用しようという科学的実験です。電波望遠鏡のデータの取り寄せと解析を行なうスクリーンセーバーを起動すれば、誰でも参加することができます。
参加者には、自分のコンピュータが地球外の文明のかすかな声を見つけるというささやかながら魅力的な可能性が与えられます。

実験は2年間続けられ、進み具合や結果はホームページに掲示されます。
映画「コンタクト(ジュディー・フォスター主演)」の原案ともいえる計画です。かすかな宇宙のノイズから地球外生命体の合図を発見できるかもしれません。

早速プログラムをダウンロードしました。
http://www.setiathome.ssl.berkeley.edu/home_japanese.html

偶然にも今日は「スターウォーズ エピソード ワン」のアメリカでの封切りの日でもあります。

==================== Weekly AOR通信 [No'17] ====================

Ned Doheny / Hard Candy                (1976)

今回は、定盤、そして名盤を紹介します。
個人的にAORのアルバムベスト5のうちの一枚です。
このアルバムは「Boz Scaggs / Silk degrees」とほぼ同時期に発表されました。
Sonyの「Nice price line」の第2回発売(AOR名盤;全5枚)の中の一枚です。
Boz scaggs , J.D.souther , Karla Bonoff等と一緒に選ばれています。

1970年台半ばのポップ・ミュージック界は、ジャズ、ロック、ソウルといった音楽がいろいろな形でクロスオーバー現象を起こし始めていました。
ヒットシングル中心のシステムから脱皮し、ラジオ局もFMを中心に独自の選曲が目立ち初めていました。
AORはアメリカではAlubum Oriented Rockともいわれています。

元々素朴なフォークロック調の演奏をバックにしたシンガーソングライターといったイメージが強かった彼が、ジャズ、ロック、ソウルなど様々な音楽要素を吸収し、それをスマートに消化した音楽をここで提示して見せたのです。
当時そういった音楽の最前線にいた「アベレイジ・ホワイト・バンド」のリーダー格「ハーミッシュ・スチュワート」との共作を披露したのもその現れでした。このアルバムの5曲目「A love of your own」は、すでに「アベレイジ・ホワイト・バンド」によって紹介されていたもので、ここではそのハーミッシュ・スチュワートが参加しています。この二人のコンビは後にチャカ・カーンが歌って大ヒットした「ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・フォー・ミー」を生み出しています。

プロデューサーは「スティーブ・クロッパー」。
バックのミュージシャンもTower of Powerのホーンセクション、デビッド・フォスター、トム・スコット等の洗練されたスタジオミュージシャン達。コーラスにはリンダ・ロンシュタット、J.D.サウザー、ドン・ヘンリー、グレン・フライ。かっちりとしたプロダクションのもとで完成されています。
もちろん、彼の適度に甘くそれでいて幾分の陰りを身につけたボーカルも申し分ありません。

ちなみにアルバムジャケットは「Moshe Brahka」の撮影。
「Boz Scaggs / Silk degrees」と同じ人です。

「Donald Fagen / The Nightfly」が夜のアルバムならば、これは午後のアルバム。
全曲名曲。曲ごとにコメントなんてできません。とにかく聞いてみてください。


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