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    MSQスクロールテスト

    自分の所有しているMacintoshをパワーアップしたくなるのはみなさん共通ではないかと思います。パワーアップにもいろいろな方法がありますが、一番簡単で「はまる」と泥沼に陥ってしまう「ビデオカード」によるパワーアップが一番おもしろいのではないかと思います。
    現在では、発売当時にはとても手のでなかったNubusスロット用のビデオカードが、中古やデッドストックなどとして安く手に入れることが出来るようになりました。私がMacを使い始めた時代は、内蔵ビデオ回路だけでは外部モニタに出力出来ない機種が一般的でした。バイト先での最強マシンであった「Macintosh IIci」も、ビデオカードで20インチディスプレイに出力していました。(たしかその時のIIciはメモリ5MB ハードディスク80MBでした)

MSQスクロールテストとは?

    ベンチマーク測定には一般的にはNorton UtilitiesのSystem infoが有名ですが、CPU中心の測定の為なのかビデオ回路の測定結果が必ずしも体感速度と一致しません。多くの方が指摘しているのですが、特にRadius製のビデオカードは低い数字で評価されます。この為、せっかく高価なビデオカードを入手してもベンチマーク的には満足できないことが多くありました。
    My Sweet Quadraのサイトマスターの「原口」氏によって考案された「MSQスクロールテスト」は、タグやテキスト、画像ファイルなどを含むHTMLファイルのスクロール時間を測定するという実際の利用環境に近い状態でのテストであります。

WGS9150のビデオ回路

    WGS9150シリーズは名前の通りAppleのサーバーとして設計された機種です。モデル名にも「Macintosh」が含まれていません。(モデル名はWorkgroup Server9150)
    WGS9150の内蔵ビデオ回路は13インチモードで32000色、16インチモードで256色表示という大変貧弱なものです。ネットワークやIOインターフェースは他のMacintoshよりも強化されていますが、通常使用する場合にはビデオカードを使用することとなります。
    WGS9150は初代PowerMacシリーズと同様のロジックボードの設計になっています。(ロジックボード自体は8100系と左右反対のためにパワーアップにいろいろ制限がある)
    Quadraシリーズの内蔵ビデオ回路は大変高速で優れていたのですが、初代PowerMacシリーズは内蔵ビデオ回路が9150と同様の13インチで32000色、16インチで256色表示になっています。これはVRAMを使用しないで、メインメモリ(DRAM)をビデオRamに使用しているからです。このためAVカードやVCカードを搭載して販売されました。
    しかしWGS9150はサーバーとしての使用を前提に設計されています。Quadra900系譲りの大きな冷却ファンの付いた大容量の電源と、多くのドライブを内蔵できる巨大なドライブベイ、さらに一度セッティングした後にはキーボードとマウスを受け付けなくできる鍵があります。当然サーバーなのでセットアップ後は電源を落とさないで長期間連続運転する事となります。このときはモニタの電源を落とすことが多いと思います。(モニタ無しでも稼働できますし)。AppleからWGS9150シリーズが発売されたときもビデオカードはオプションで用意されませんでした。(DATドライブのオプションはあったのに)
    このことから、多くのWGS9150ユーザーは高速な(高価な)ビデオカードを利用されているようです。

WOMBAT 40Mhz

    始めに、私の所有する通称「WOMBAT 40Mhz」でテストしてみました。このマシンは「Centris650」を40Mhzにクロックアップした物です。44Mhzでも安定動作していましたが、CPUの発熱等を考えて現在は40Mhzにダウンしてあります。(オリジナルは25Mhz)。私はこのロジックボードをIIciの筐体に入れて使用しています。以下はこのマシンのスペックです。

ロジックボード WOMBAT 40Mhz
メモリ 56MB (オンボード8MB 16MBx2 8MBx2)
ハードディスク IBM DPES 31080 1GB
SCSIカード JackHammer Nubus
OS OS 7.6.1J
ディスクキャッシュ(メモリ) 128K
使用ブラウザ Netscape Navigator4.0.3 メモリ24MB割り当て
ディスクキャッシュ(ブラウザ) 4MB RAM Disc
仮想メモリ OFF
AppleTalk OFF

テスト条件

    モニタ Apple純正M1212(640x480)
    MSQスクロールファイルをオフラインで開きすべてのデータを読み込んだ後、まず一度スクロールさせる。その後2回目以降のスクロール時間を測定。(2回目以降はHDへのアクセスがなくなるらしい)。

使用したビデオカード  (Romのバージョン)

    Radius LeMans GT(1.0)
    RasterOps Paint Board Prism GT(1.0) 
    追加
    SuperMac Thunder II GX 1360(3.1) 
    追加
    SuperMac Spectrum24/V(3.1)
    Radius Presicion Color Pro24XP(2.0)
    SuperMac Spectrum24PDQ (1.6)
    Interware Grandvimage24-16
    Vimage
    Apple HiResolution displaycard

(単位:秒)
Video card
256色
32000色
1670万色
Thunder II GX 1360
29
-
31
Radius LeMans GT
33
35
35
Prism GT
34
35
36
Spectrum 24/V
36
-
37
Precision Color Pro24XP 
36
41
42
内蔵ビデオ
37
46
-
Spectrum 24PDQ
37
98
50
GrandVimage 24-16
39
46
54
Vimage
72
-
226
Apple HiResolution displaycard
74
-
-

WGS 9150/120追加

    やっと夏休みで時間を作ることが出来たので、WGS9150/120で測定してみました。7月に個人輸入したオリジナルWGS9150/120はG3カードも載せてメインマシンとして使用しているので、現在はサブマシンになっているもう1台の9150/120でテストする事にしました。このマシンはQuadra950からロジックボードアップグレードしたものです。
    最近少し動かしていなかったのですが、見事に熱暴走しました。PPC 601 120Mhzの発熱はもの凄いようで、ファインダーが表示されなかったりSCSIが認識されなかったりと最初はびっくりしました。結局Dos/vミニタワーケース用の6cm角のファンをCPUのヒートシンクにネジ止めしました。これにより安定して動作するようになりました。少し値段の高い薄型のファンを購入したのですが、ほとんど回転音がしません。
    というか、9150の電源ファンの音が大きいので・・
    以下はテストに使用したWGS9150/120のスペックです。

ロジックボード WGS9150/120 (PPC601 / 120Mhz)
メモリ 96MB (オンボード8MB 16MBx4 8MBx2 4MBx2)
ハードディスク IBM DPES 31080 1GB
OS OS 8.1J
ディスクキャッシュ(メモリ) 128K
使用ブラウザ Netscape Navigator4.5 メモリ24MB割り当て
ディスクキャッシュ(ブラウザ) 7MB (起動HDを指定)
仮想メモリ OFF
AppleTalk OFF
その他の特徴 Quadra950からのロジックボードアップグレード

テスト条件

    モニタ Apple純正M1212(640x480)
    MSQスクロールファイルをオフラインで開きすべてのデータを読み込んだ後、まず一度スクロールさせる。その後2回目以降のスクロール時間を測定。(2回目以降はHDへのアクセスがなくなるらしい)。

 
使用したビデオカード  (Romのバージョン)

    Sonneto Sonata Pro(1.0)
    Radius LeMans GT(1.0)
    RasterOps Paint Board Prism GT(1.0)
    SuperMac Thunder II GX 1360(3.1)
    SuperMac Spectrum24/V(3.1)
    Radius Presicion Color Pro24XP(2.0)
    SuperMac Spectrum24PDQ (1.6)
    Interware Grandvimage24-16

(単位:秒)
Video card
256色
32000色
1670万色
Sonata Pro
20
22
24
Thunder II GX 1360
21
-
23
Radius LeMans GT
21
23
23
Prism GT
24
24
23
Spectrum 24/V
24
-
25
Precision Color Pro24XP 
26
30
29
内蔵ビデオ
25
39
-
GrandVimage 24-16
31
40
49
Spectrum 24PDQ
61
102
190

MSQテストの感想

    Radius LeMans GTが最速だと思っていたのですが、CPUやOSによって多少の違いがありました。それでも内蔵ビデオと比べるとアクセラレーション機能のあるビデオカードは発色数が多くなってもスクロールのスピードの低下はわずかでした。現在、現実的には256色で使用することは少ないので、やはりビデオカードの使用は効果的なパワーアップになると思います。
    最近、Thunder II GXとPrism GTという高速なビデオカードを入手しました。私がMacを使い始めた時にはSuperMacのビデオカードは本当にプロフェッショナルな方が使用するカードでした。
    Thunder II Gx1360は発売時85万8千円もしたビデオカードです。当時の値段を知っているので安売りしているのをみるとついつい買ってしまいます。
    それぞれの結果の判断はみなさんにお任せしますが、何かの参考にでもなれば幸いです。


さらにIIcx(PM7100/66ロジック+Newer G3 215Mhzでのテストをしています)
近日中にご紹介します。